日本統計技術研究所が本部を構える地元「足立区」を、各種統計数字を基にご紹介するシリーズの第一回目です。
「足立区は東京都23区の最北端に位置し、区域の総面積は53.25平方キロメートルで23区域総面積の約一割にあたり大田区、世田谷区についで第3位の広さである。」という言葉で始まる「数字で見る足立 平成28年版」は、足立区役所のHPに掲載され、足立区に関する多くの統計数字が記載されています。(https://www.city.adachi.tokyo.jp/kuse/ku/aramashi/28suji.html)
この資料でみると、平成28年の人口は約68万人、世帯数で約33万世帯と記されています。人口が約68万人の区市というと、人口370万人を誇る日本一の横浜市をトップとする人口順位の中で25位を占め、70万人の政令指定都市である静岡市、ほぼ同規模の江戸川区に次ぐ人口規模となります。また、東京都と言う大都市の中の区割りの1つであるため、独立したcityとは比較が難しいのですが、米国における人口約70万人の都市と言えば、ちょうどミシガン州のデトロイト市などが該当します。
また、足立区の人口の推移も区のHPの資料の中の「グラフで見る足立区」に示されています(下図)。
これを見ると昭和50年に60万人を突破して以来、今日に至るまで40年間は横ばいに近い増減を繰り返した微増であることが分かります。途中平成に入って一時期人口減少を示していますが、近年は回復に転じています。
しかし、将来を見た場合には、残念ながら平成32年以降は減少に転じ、今から43年後の平成72年には約56.3万人になると推計されています。同じく、この年の日本の総人口は8,674 万人まで減少し、東京都の人口も1,000万人強まで減少すると推計されています。
日本国の人口が減少する中、足立区の人口減少を出来るだけ食い止めるには、街の魅力を増して、人が住みたいと思わせるような街づくりが欠かせません。足立区は区内各所での街づくりプロジェクトの進展や、北千住駅周辺の大学の集積により学生の数が増えており、株式会社リクルート住まいカンパニーが3月7日に発表した下表のSUUMO住みたい街ランキング2017関東版(https://www.recruit-sumai.co.jp/press/upload/sumitaimachi_2017_kanto.pdf)では、北千住が過去最高の17位にランキングされるなど、足立区の人気が高まっています。また、北千住は「穴場だと思う街」では3年連続1位に輝いています。
足立区は鉄道網の整備(日暮里・舎人ライナー、つくばエクスプレス)が進み、従来の東武線、日比谷線、千代田線や常磐線のみならず、京成線も加えて都心へのアクセスが良く、昭和の古き良き雰囲気を漂わせる街並みや人情など、多くの魅力に満ち溢れています。10歳代、20歳代の学生さんだけでなく中堅の30~40歳代の子育て世代にとっても魅力ある地域であり続けることが、少しでも人口減少を食い止める要件であると思われます。
「統計数字からみた足立区」のシリーズでは、これからも少しづつ統計数字を基に足立区の魅力を紹介して行きたいと思います。